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ラミネーションを解説!非破壊検査の手法と精度を比較

ラミネーション欠陥による重大な品質トラブル、見逃していませんか?

 

鋼材や圧延製品などの内部に潜む「ラミネーション」は、見た目では分からず、製品の強度や溶接性を著しく低下させる可能性があります。特に橋梁やプラント構造物のような高負荷環境では、欠陥の存在が構造物全体の安全性を脅かすことも。非破壊検査の現場では、超音波や放射線透過、磁粉探傷など複数の試験方法が使われ、方向・深さ・材質による欠陥の検出精度に差が出るため、技術と選定が非常に重要です。

 

「どの検査方法が正確なのか」「コストはどのくらいかかるのか」「装置選定で失敗したくない」そう感じている方も多いのではないでしょうか。

 

この記事では、製造・建設・航空・エネルギー分野で実際に導入されている非破壊検査の活用事例をもとに、最新の検出技術と装置の選び方、試験精度を高める条件まで徹底解説します。

 

最後まで読むと、ラミネーション欠陥による不良率を低減させるための検査導入ノウハウが手に入ります。損失を防ぎ、信頼される品質管理を実現するための第一歩として、ぜひご活用ください。

非破壊検査で社会を支える仲間を募集します - 大分N.D.T株式会社

大分N.D.T株式会社では、非破壊検査のプロフェッショナルとして多くの実績を積み上げてきました。当社は、技術力を重視し、安全性や品質管理の分野で社会に貢献しています。未経験からでも始められる充実した研修制度と資格取得支援を用意し、確かなスキルを身につけられる環境です。社員一人ひとりが成長を実感できる職場で、新たな挑戦をしてみませんか?共に未来を創る仲間を心よりお待ちしております。

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住所 〒870-0919大分県大分市新栄町13−1
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ラミネーションとは何か?溶接や鋼材に発生する欠陥の正体と原因を知る

ラミネーションの定義や発生原因と圧延方向と介在物の関係

ラミネーションとは、金属材料、特に鋼材の内部において層状の剥離構造が形成された状態を指します。主に鋼材の製造工程における圧延中に、非金属の介在物や気泡が残留し、それが押しつぶされて層状の欠陥として残ることで発生します。見た目には分かりにくいですが、内部では金属の一体性が失われており、機械的強度や溶接性に大きな影響を与える恐れがあります。

 

  • 圧延工程で材料内部の介在物(硫化物、酸化物など)が押しつぶされ、層状に残る
  • 鋳造工程での溶湯処理不足や冷却ムラにより、内部に気泡や非金属物質が残る
  • 空気やガスの巻き込みがあり、押しつぶされた結果として層分離が生じる

 

特に圧延方向に沿って形成されるため、一般的な外観検査では発見が難しく、非破壊検査による確認が欠かせません。

 

 

発生原因 説明 主な影響
圧延方向の不均一 材料内部の介在物が押しつぶされて層状に分離します 内部強度の低下、応力集中
非金属介在物の残留 酸化物・硫化物・アルミナなどが除去されず残ることです クラックの起点、超音波反射による検出対象
鋳造不良 冷却ムラや空洞の閉じ込めによって発生します 層状の内部空洞、検出が困難
再加熱や鍛造の不良 温度や加圧の不均一により異常な組織が形成されます 加工性の低下、強度劣化

 

ラミネーションと他の欠陥(割れ・空隙)の違い

ラミネーションは材料内部に形成される層状の欠陥であり、他の代表的な欠陥である割れ(クラック)や空隙(ボイド)とは性質や発生要因が異なります。非破壊検査の現場では、それぞれの欠陥を正しく識別することで、適切な検査手法や修復方法を選ぶことが重要です。

 

  • 割れは、主に材料に加わる引張応力や疲労などによって発生する破断であり、表面にまで到達していることが多く、浸透探傷試験(PT)や磁粉探傷試験(MT)などの表面検査で検出されるケースが一般的です。
  • 一方、ラミネーションは材料内部にのみ存在する層状の剥離構造であり、超音波探傷試験(UT)や放射線透過試験(RT)といった内部検査手法で検出されます。
  • 空隙は鋳造工程などでガスや気泡が閉じ込められ、球状や不定形の空洞として残る欠陥です。
  • ラミネーションは圧延方向に沿って形成された層状構造であり、形状が細長く、反射の特性も異なるため、同じ超音波検査でも波形が変わります。

 

非破壊検査の現場では、検出された信号がどの欠陥に由来するのかを正確に判断することが求められます。ラミネーションは他の欠陥に比べて検出しづらく、誤認される可能性もあるため、経験豊富な技術者による評価が重要となります。

 

溶接部への影響と不具合リスク

ラミネーションが存在する材料に対して溶接を行うと、さまざまな不具合が生じるリスクが高まります。とくに構造物や圧力容器のように高い強度や信頼性が求められる部材では、内部欠陥の有無が品質に直結するため、注意が必要です。

 

  • 溶接時の融合不良
     ラミネーションがあることで、母材と溶接金属の間に物理的な接合障害が生じやすくなります。その結果、健全な溶け込みが得られず、欠陥溶接として判定される可能性があります。
  • 応力集中によるクラックの発生
     層状に存在するラミネーションは、外部からの荷重や熱応力を局所的に集中させる原因となり、クラックが発生しやすくなります。とくに繰り返し荷重のかかる場所では、疲労破壊につながるおそれがあります。
  • 検査時の誤認リスク
     超音波探傷試験では、ラミネーションの存在が反射波として現れ、他の欠陥との判別が難しくなることがあります。これにより、正確な評価が妨げられるケースもあります。
  • 耐久性の低下
     ラミネーションがあることで、母材そのものの構造的強度が低下し、長期的な耐久性にも悪影響を与えます。

 

実際の現場では、次のような予防措置が取られることが一般的です。

 

  • 溶接前に超音波探傷試験を実施し、欠陥部位の有無を確認する
  • 欠陥が発見された場合には、当該部位を切除し、新しい鋼材に取り替える
  • 再発防止のため、材料受け入れ時に検査記録の提出を義務付ける

 

建築・橋梁・プラント構造物での発生リスクとは?

ラミネーションの存在は、建築やインフラ構造物の安全性に深刻な影響を与える可能性があります。とくに鉄骨構造や配管、圧力容器などの部材においては、内部欠陥の有無が構造体の耐久性と直結しており、最悪の場合は破損や事故につながるおそれもあります。

 

リスクが高いとされる構造物の例は以下の通りです。

 

  • 高層ビルの鉄骨柱・梁
  • 道路橋・鉄道橋の鋼橋部材
  • 化学プラントや原子力発電所の配管・タンク
  • ダム、港湾設備、水門などの大型構造物

 

これらはすべて、長期間にわたる高負荷や熱変動、腐食環境にさらされるため、内部欠陥が進行すると致命的な損傷を引き起こす可能性があります。

 

ラミネーションを検出できる非破壊検査手法とは? 各検査の精度・特徴を比較

超音波探傷試験(UT)の仕組みと適用範囲

超音波探傷試験(UT)は、ラミネーションのような内部欠陥を非破壊で検出する代表的な手法です。この検査では、高周波の超音波を材料に入射し、内部で反射した波をセンサーで受信して解析します。超音波は欠陥に当たると反射波が戻る特性を持っており、その反射波のパターンや強度を分析することで、内部にどのような欠陥が存在しているかを把握できます。

 

ラミネーションは圧延方向に沿って層状に形成されるため、超音波の入射角や方向を最適化することで、非常に高い精度で検出が可能です。特に、板厚のある鋼材や高強度材においては、他の方法では捉えきれない内部の層状欠陥を可視化できることから、多くの製造現場やインフラメンテナンス分野で広く活用されています。

 

UTのメリットは以下の通りです。

 

  • 欠陥の深さや大きさを数値で把握できるため、定量的評価が可能です
  • 材料の片面からでも検査が可能であり、設置や施工の自由度が高いです
  • 放射線のような安全対策が不要なため、作業環境の制約が少ないです

 

一方で、以下のようなデメリットも存在します。

 

  • 表面状態が悪いと、探触子の密着性が低下し、検査精度が下がる可能性があります
  • 複雑な形状の部材や曲面への対応には専用の治具や探触子が必要です
  • 作業者の技術力により結果のばらつきが出やすく、熟練度が求められます

 

製造現場では、UTを使った全数検査が実施されることもあり、厚板の鋼材や橋梁部材ではUTレベルを規定した品質管理基準に基づいて検査が義務付けられているケースも多くあります。特にJIS Z 3060などの規格に準拠した装置と手順で行うことで、高信頼な欠陥評価が可能になります。

 

放射線透過検査(RT)との違いとメリット・デメリット

放射線透過検査(RT)は、X線やγ線を材料に照射し、その透過画像をフィルムやデジタルセンサーで記録する非破壊検査手法です。内部に異物や空隙、ラミネーションなどの密度差があると、その部分での透過率が変わり、画像上に明暗の差として現れます。可視化のしやすさから、内部の状態を「見える化」するのに非常に適しています。

 

超音波探傷試験との大きな違いは、「画像として検査結果を出力できるかどうか」です。RTではフィルムやデジタル画像で残せるため、第三者に対する説明性や記録性に優れています。

 

比較項目 超音波探傷試験(UT) 放射線透過検査(RT)
検査原理 超音波の反射を測定 放射線の透過画像を解析
欠陥の可視性 操作者の解釈による 画像として直感的に確認可能
安全対策 基本不要 放射線管理区域が必要、管理者常駐
携帯性 軽量で現場対応しやすい 装置が大型、制約が多い
適用範囲 厚板・内部欠陥全般 板厚が薄めの対象が中心
検査時間 比較的短時間で対応 撮影・現像・読み取りに時間がかかる

 

RTの特長は「明瞭な可視化」にありますが、一方で以下の課題が存在します。

 

  • 放射線を扱うため、作業エリアの制限や特別教育を受けた資格者が必要です
  • 検査対象が厚すぎると放射線が透過せず、欠陥が映らないことがあります
  • 検査時に周囲の立ち入り制限を行う必要があり、作業効率に影響することがあります

 

ラミネーションの検出においては、板厚が薄めの場合にはRTでも十分に対応可能ですが、厚板や多層材にはUTの方が適しています。特にRTでは、欠陥が板の方向と平行になっていると透過差が出にくく、検出漏れの可能性もあるため、材料の使用条件に応じて適切な手法を選ぶことが重要です。

 

ラミネーションの方向や深さによる検出限界とは?

ラミネーションは鋼材内部に発生する層状の欠陥であるため、その向き(方向)や深さ、形状によって検出の難易度が大きく変わります。とくに超音波探傷試験や放射線透過検査を用いた場合、それぞれの検査法が持つ原理的な特性が、検出の成否に直結します。

 

たとえば、超音波探傷では「超音波の入射角」と「欠陥面の方向」が重要な検出条件となります。ラミネーションが圧延方向に沿って形成される場合、超音波を垂直に入射しても反射しにくく、欠陥が検出されない可能性があります。そのため、角度付きの探触子を使用して斜め方向から音波を当てることで、反射を確実に捉える工夫が必要です。

 

また、欠陥の深さによっても検出精度は変動します。浅い層にある欠陥は表面のノイズや干渉波と重なりやすく、逆に深すぎる場合は減衰によって信号が弱くなるため、探傷装置の感度設定や周波数の選定が重要です。

 

以下に、検出に影響を与える主な要素とその理由をまとめました。

 

要素 検出への影響 対応策
欠陥の方向 音波が平行に入ると反射せず検出困難 斜角探触子やフェーズドアレイを使用
欠陥の深さ 浅すぎるとノイズに埋もれる、深すぎると減衰 周波数や感度設定の最適化
欠陥の大きさ 微細すぎると反射波が小さい 高分解能探傷器を使用
材料の構造 異方性があると音波が乱反射 材料特性に応じた補正係数を設定

 

放射線透過検査でも、欠陥が放射線の進行方向と平行になると密度差が映像に現れにくく、検出が難しくなります。さらに、厚みがある材料では放射線が透過しにくくなるため、エネルギー量の高いγ線を使用する必要があります。

 

つまり、ラミネーションの検出には「方向」「深さ」「形状」といった要因を把握したうえで、検査条件を調整することが不可欠です。特に、事前の材料情報を取得しておくことで、最適な検査方法を選定しやすくなります。

 

まとめ

ラミネーション欠陥は、鋼材や圧延材などの内部に発生する層状の分離であり、目視では発見できない重大な欠陥です。このような見えない内部きずは、溶接強度の低下や構造体全体の信頼性の損失につながる可能性があり、特に橋梁やプラント、航空機などの高負荷構造物においては致命的な問題となります。

 

その対策として注目されるのが、非破壊検査技術によるラミネーション検出です。超音波探傷や放射線透過、磁粉探傷、浸透探傷など、用途に応じた試験方法が確立されており、各手法にはそれぞれ得意とする対象や検出精度、費用、装置条件が存在します。中でも超音波探傷試験は、内部欠陥の検出において高い精度を誇り、多くの現場で導入されています。

 

実際の現場では、検査導入によって不良品の発生率が【30%以上削減】されたという報告もあり、製造・建設・エネルギー業界などでの活用が加速しています。導入には初期コストがかかるものの、長期的なコスト削減と信頼性向上の効果は計り知れません。

 

「装置選定に失敗したくない」「試験精度に差が出る理由がわからない」「現場条件に適応できるのか不安」そんな悩みを持つ方にとって、本記事で解説した各検査方法の特徴や注意点は、導入判断における重要なヒントとなるはずです。

 

信頼される製品づくりと、安全な社会インフラの実現のために、今こそ最適な非破壊検査の導入が求められています。放置すれば、欠陥による想定外の修繕コストや事故リスクが膨らむ可能性もあります。専門的な視点での情報整理と技術比較を通じて、最善の選択肢を見極めてください。

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よくある質問

Q. 超音波探傷試験でラミネーションはどの程度まで検出できますか?
A. 超音波探傷試験では、圧延方向に沿って発生する内部欠陥であるラミネーションを高精度で検出できます。一般的に厚さ5mmから200mm程度の鋼材まで対応可能で、周波数や探触子の種類を最適化することで、検出限界を大きく改善できます。欠陥の厚さが0.5mm程度であっても、周波数を5MHz以上に設定し、反射波の変化を丁寧に分析することで把握が可能です。ただし、欠陥の方向が音波の入射方向と一致しない場合や、粗い材料を使用している場合には、測定精度がやや低下することもあるため注意が必要です。

 

Q. ラミネーションの非破壊検査を行うことで、どれくらいのコスト削減が期待できますか?
A. 実際の現場事例では、ラミネーションの非破壊検査を導入することで不良率が30%以上削減されたというデータもあります。たとえば、月間500本の鋼管を製造している企業で、導入前には毎月15本の不良が発生していたところ、検査導入後は月に5本以下に抑えられたという結果があります。これにより、材料廃棄費用や再加工費、納期遅延による機会損失などを年間で数百万円規模で削減できるケースもあります。高精度な検出によって、欠陥の早期発見が可能になり、長期的なコストパフォーマンス向上に大きく貢献します。

 

Q. 非破壊検査を依頼する際、どのような検査会社を選ぶべきですか?
A. 検査会社選びでは、非破壊検査の実績や探傷技術に精通した資格保有者が在籍しているかが非常に重要です。例えば、ISO9712に準拠した超音波探傷技術者や、X線装置を扱える放射線作業主任者など、国家資格や業界認証を持つ技術者が在籍しているかを確認しましょう。また、年間1000件以上の検査実績があり、橋梁・建設・航空機・エネルギー業界など、用途別の導入事例が豊富な会社は信頼性が高いと評価されます。見積もりだけでなく、報告書のフォーマットやサンプルを確認することも、検査の品質を見極めるポイントです。

 

会社概要

会社名・・・大分N.D.T株式会社
所在地・・・〒870-0919 大分県大分市新栄町13−1
電話番号・・・097-574-8264