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非破壊検査の方法を解説!種類別メリットとデメリット

非破壊検査の方法でどの手法を選べばよいのか、迷っていませんか。製品や構造物の安全性を確保しつつ、コストや作業時間も抑えたい。そんな課題を抱えている現場担当者や品質管理者の方は少なくありません。

 

非破壊検査は、製品を破壊せずにきずや欠陥、内部の劣化状態まで把握できる強力な検査方法です。超音波や放射線、浸透探傷、渦流探傷といった多彩な試験方法が存在し、それぞれが異なる対象物や検査目的に適用されます。しかし、種類が豊富であるがゆえに「どの検査方法が最適なのか」「費用や測定精度はどう違うのか」と悩む声が多く寄せられています。

 

国土交通省の最新資料によると、建築・インフラ分野では非破壊検査の活用率が前年比10%増加。特にコンクリート構造物や金属部品における欠陥検出の精度向上が求められています。さらにJIS規格に準拠した検査方法や最新のAI技術を取り入れた測定装置の導入も進んでいます。

 

本記事では、非破壊検査の方法の基本から、各種試験方法のメリットとデメリット、選び方のポイントまで徹底解説します。

 

非破壊検査で社会を支える仲間を募集します - 大分N.D.T株式会社

大分N.D.T株式会社では、非破壊検査のプロフェッショナルとして多くの実績を積み上げてきました。当社は、技術力を重視し、安全性や品質管理の分野で社会に貢献しています。未経験からでも始められる充実した研修制度と資格取得支援を用意し、確かなスキルを身につけられる環境です。社員一人ひとりが成長を実感できる職場で、新たな挑戦をしてみませんか?共に未来を創る仲間を心よりお待ちしております。

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非破壊検査の方法とは?基本の考え方と重要性

非破壊検査とは何か?初心者にもわかりやすく解説

 

非破壊検査とは、製品や構造物を破壊せずに内部や表面の欠陥、きず、劣化状況などを調べる技術のことです。英語ではNon-Destructive Testing(NDT)とも呼ばれ、JIS規格でも定義されている正式な検査手法です。従来の破壊検査とは異なり、検査後も製品や部材が引き続き使用できることが最大の特徴です。

 

対象となる物やシーンは非常に多岐にわたります。たとえば、鉄骨構造の建築物、コンクリート橋梁、航空機部品、発電所の配管、造船、鉄道車両、自動車の重要部品など、社会インフラから工業製品に至るまで幅広く採用されています。また、製造現場だけでなく、運用中の設備の定期点検や事故防止のための保全活動にも欠かせない技術です。

 

非破壊検査の目的は、以下の3点に集約されます。

 

  1. 製品や構造物の品質保証
  2. 安全性の確保と事故予防
  3. 劣化の進行状況の把握と寿命予測

 

具体的には、内部の空洞やひび割れ、溶接不良、腐食、剥離、異物混入といった欠陥を高精度に検出します。検査手法は超音波探傷試験、放射線透過試験、磁粉探傷試験、浸透探傷試験、渦流探傷試験、目視検査などがあり、目的や対象物に応じて最適な方法が選定されます。

 

非破壊検査の重要性は年々増しており、事故防止だけでなくSDGsの観点からも注目されています。例えば、部材の再利用やライフサイクルの延命が図れるため、廃棄物削減や資源の有効活用にも貢献しています。製品を壊さずに品質確認が行えるため、製造コストやメンテナンスコストの削減にも直結します。

 

非破壊検査が注目される背景と市場動向

 

非破壊検査がこれほど注目されている背景には、社会全体の安全意識の高まりと産業構造の変化が挙げられます。近年、老朽化が進むインフラ設備や大型建築物の維持管理の必要性が急速に高まっています。また、高度化・複雑化する製品の製造現場では、より厳しい品質管理が求められるようになりました。

 

法改正の動きも市場を後押ししています。2023年には建築基準法関連の省令改正により、大規模修繕工事やインフラ点検における非破壊検査の義務化範囲が拡大されました。また、JIS Z 2305の改訂により、検査技術者に求められるスキルや資格要件も見直され、より高精度な検査が求められる時代に突入しています。

 

産業界のトレンドとしては、AIやIoTとの融合が加速しています。たとえば、ドローンを活用した高所構造物の目視検査、AI解析による欠陥判定の自動化、クラウドを用いた検査データの一元管理などが実用化されつつあります。これにより、作業の効率化と判定精度の向上が実現しています。

 

以下に、2025年時点での主要市場別の成長トピックを整理します。

 

市場分野 主なトレンドと需要動向
建築・インフラ 高度経年化対策、新築時の品質保証、既存建築の長寿命化支援
エネルギー(発電・石油・ガス) 高温高圧環境下の配管・タンクの定期点検義務化、スマートメンテナンス
航空・宇宙 CFRP(炭素繊維複合材)の非破壊評価技術の普及、軽量化と高強度化対応
製造業(自動車・機械) 高度な工程内検査、製品出荷前全数検査の需要増加

 

非破壊検査の種類と特徴!主要な検査方法

超音波探傷試験(UT)の原理と適用例

 

超音波探傷試験は、非破壊検査の中でも特に幅広い分野で利用されている技術です。この方法は、対象物に高周波の超音波を送信し、その反射波や透過波の特性を分析して内部の欠陥を検出します。超音波は金属やコンクリートなどの材料内部を透過しやすいため、内部のきずや空洞、割れ、腐食などを把握するのに適しています。

 

使用機器には、ポータブル型から高性能な自動化装置まで多様なものが存在します。一般的な構成としては、探触子(プローブ)、超音波発信・受信器、表示モニターなどがセットになっています。最近ではAIを搭載した解析ソフトが進化しており、判定精度が格段に向上しています。

 

適用対象は非常に広く、以下のような分野で活用されています。

 

  • 航空機部品や自動車部品の品質検査
  • 発電所の配管や圧力容器の定期点検
  • 建築構造物(鉄骨・コンクリート)の劣化診断
  • 鉄道車両の車軸や台車の欠陥検査

 

メリットは、内部欠陥を高い精度で非破壊に検出できることです。また、リアルタイムに測定結果を確認できる点も現場作業では非常に有用です。一方、デメリットとしては、形状が複雑な対象物や材質によっては超音波の伝播が難しい場合があること、検査には熟練技術者のスキルが求められることが挙げられます。

 

下記にメリット・デメリットを整理します。

 

項目 内容
主なメリット 内部欠陥の高精度検出、即時解析が可能、安全性が高い
主なデメリット 複雑形状の検査は困難、技術者のスキルが必要、表面粗さの影響を受ける

 

超音波探傷試験はコストパフォーマンスにも優れており、多くの製造業やインフラ分野で欠かせない技術として定着しています。

 

放射線透過試験(RT)の特徴と安全対策

 

放射線透過試験は、X線またはガンマ線を使用して材料内部の欠陥を透過画像として可視化する非破壊検査方法です。材料内部の密度差によって放射線の減衰が異なるため、その違いをフィルムやデジタルセンサーで撮影し、内部構造や欠陥を視覚的に確認できます。

 

X線とガンマ線の違いは、発生源と透過能力にあります。X線は電気的に生成されるため、出力調整が容易で比較的薄い材料に適しています。一方、ガンマ線は放射性同位体から放射されるため厚みのある金属などにも透過が可能です。これにより、検査対象や用途によって使い分けが行われます。

 

対象となる分野は以下の通りです。

 

  • 配管溶接部の品質管理
  • 鋳造製品の内部欠陥検出
  • 高圧容器や圧力タンクの健全性確認
  • 橋梁構造や大型構造物の劣化診断

 

安全対策としては、放射線障害を防ぐための管理区域設定、法定の管理責任者(放射線取扱主任者)の配置、被ばく線量の常時モニタリングが必須です。現在、最新のデジタルラジオグラフィ(DR)技術が普及しており、フィルムレスで高解像度な画像を得られるようになっています。

 

以下に特徴と注意点を整理します。

 

項目 内容
主な特徴 透過画像で内部欠陥が可視化、厚肉材の検査が可能
安全対策 法令遵守が必須、線源管理と遮蔽対策が必要、専門資格者が必要

 

放射線透過試験はその視覚的な情報量の多さから、最終品質保証や第三者検査の場面で重要な役割を担っています。

 

磁粉探傷試験(MT)と浸透探傷試験(PT)の違いと選び方

 

磁粉探傷試験と浸透探傷試験は、表面や表面直下のきずを検出する手法であり、主に構造物や部品の初期欠陥や疲労によるクラックの検出に用いられます。

 

磁粉探傷試験(MT)は、強磁性体に磁場を与え、その表面に磁粉を散布することで、磁束の漏洩が発生する欠陥部分に磁粉が集まる現象を利用します。欠陥が明瞭に浮き出るため、微細な割れの検出にも優れています。

 

一方、浸透探傷試験(PT)は、対象物の表面に浸透液を塗布し、きず内に浸透させた後、現像処理を行うことで浸透液が毛細管現象によって表面に現れます。非磁性材料やセラミックなどにも対応可能である点がMTとの大きな違いです。

 

選択基準は以下の通りです。

 

検査方法 適用対象 主なメリット 主なデメリット
磁粉探傷試験(MT) 強磁性材料(鉄鋼など) 微細な割れの高精度検出、簡易迅速 非磁性材料不可
浸透探傷試験(PT) 非磁性材料、複雑形状の部品 材料を選ばない、高い検出力 表面開口きず限定、前処理が重要

 

非破壊検査のメリットとデメリットを正しく理解する

非破壊検査のメリットとは

 

非破壊検査は、製品や構造物を破壊せずに内部や表面の欠陥を検出できる高度な技術です。そのメリットは多岐にわたり、コスト削減や安全性向上、品質保証の面でも極めて有用です。現代の製造業やインフラ保守では欠かせない工程となっています。ここでは、非破壊検査の具体的なメリットを詳しく解説します。

 

まず最大の利点は、検査対象を破壊することなく内部欠陥や表面のきず、腐食、剥離などを発見できる点です。たとえば、橋梁やトンネルのコンクリート構造物、航空機や鉄道の重要部品、発電所の圧力容器など、使用中の設備や高価な製品を維持したまま品質確認が可能です。このことは、検査後も対象物がそのまま使用できるため、メンテナンスコストの削減や生産スケジュールへの影響を最小限に抑える効果を生み出します。

 

さらに、非破壊検査は事故の未然防止という社会的価値にも大きく貢献しています。内部欠陥や劣化が早期に発見されることで、設備の重大故障や人身事故のリスクが低減されます。特に老朽化が進むインフラ設備では、定期的な非破壊検査が欠かせません。

 

非破壊検査はコストパフォーマンスの面でも優れています。破壊試験と比べて材料費や再製作費が不要であり、検査コスト全体が抑えられるのです。また、検査時間が比較的短いため、稼働停止時間を最小限に抑えられ、結果的に経済的メリットが得られます。

 

以下のテーブルは、非破壊検査の主要なメリットを整理したものです。

 

メリット項目 内容
対象物の維持 製品や構造物を壊さずに検査できる
コスト削減 材料費や再製作費が不要、検査工数が少ない
安全性向上 事故の未然防止、定期点検でリスク低減
品質保証 製品全数検査や重要部品の健全性確認が可能
環境への配慮 廃棄物の発生が抑えられ、持続可能な運用が実現

 

たとえば、航空機部品の非破壊検査は国際的に厳格な規格(JIS、ASTMなど)に基づいて実施されており、飛行安全の根幹を支えています。また、鉄道インフラでも非破壊検査によってレールの内部きずや疲労割れを事前に発見することで、安全な運行が維持されています。

 

非破壊検査の活用は、製造業の品質管理プロセスでも進んでいます。製造ライン内で自動化された超音波探傷や渦流探傷が導入されており、工程内でのリアルタイム品質評価が実現しています。これにより、製品不良率の低減や顧客満足度の向上につながっています。

 

このように、非破壊検査は製品や構造物の信頼性を高め、コスト削減と安全性向上を同時に実現する強力な手法です。

 

非破壊検査のデメリットと注意点

 

非破壊検査には多くのメリットがありますが、万能な手法ではありません。正しく理解して活用するためには、そのデメリットや注意点も把握しておく必要があります。ここでは非破壊検査の主なデメリットや注意事項を詳しく解説します。

 

まず技術的な限界として、検出できる欠陥の種類や大きさに制約があります。たとえば、超音波探傷試験(UT)では微細な内部欠陥は波形のノイズと区別しにくく、複雑な形状の部品では死角が生じることがあります。磁粉探傷試験(MT)や浸透探傷試験(PT)は表面開口きずのみに適用され、内部欠陥や閉じた割れには対応できません。

 

また、検査方法の選択は対象物の材質、形状、使用環境などに強く依存します。誤った手法を選択すると重大な欠陥を見逃す恐れがあるため、検査方法選定は専門的な知見が求められます。非破壊検査技術者の資格や経験が品質に直結するため、適切な人材育成や教育が不可欠です。

 

さらに、判定には技術者の判断が介在する場合が多く、誤判定リスクがゼロではありません。たとえば、目視検査(VT)やフィルム式放射線透過検査(RT)では観察者の技能が結果の信頼性に大きく影響します。近年はAIを活用した解析補助ツールが導入されつつありますが、最終的な合否判定は依然として人間の経験が重要な役割を担っています。

 

費用面でも注意が必要です。非破壊検査自体はコスト削減効果が期待できますが、特別な機器が必要になる場合や資格取得・維持のための費用が発生します。また、放射線透過試験(RT)など一部の手法では法令遵守のための管理コスト(線源管理、資格者配置など)がかかります。

 

まとめ

非破壊検査の方法は、製品や構造物の内部まで破壊せずに検査できる重要な技術です。超音波、放射線透過、浸透探傷、渦流探傷、目視検査など多彩な手法が存在し、それぞれの特徴や適用対象を理解することで、より効果的な検査が可能になります。

 

検査費用や作業時間、検査精度に関する不安を感じている方も多いのではないでしょうか。たとえば「どの方法を選べばよいのかわからない」「想定外の追加費用が発生しないか心配」「検査対象の材質によって検査精度に差が出るのでは」といった声はよく聞かれます。

 

本記事では、各検査方法のメリットとデメリット、選択のポイントを徹底解説しました。自社の製品や設備、施工状況に応じて最適な検査を選ぶことで、安全性はもちろん、コストパフォーマンスの向上にもつながります。特に、早期に適切な非破壊検査を実施することで、後々の修繕費や事故リスクを未然に防げる点は大きなメリットです。

 

筆者はこれまで複数の現場で非破壊検査導入をサポートしてきた経験があり、記事中でも最新の技術動向や公的機関のデータを引用しています。信頼性の高い情報を基にご紹介していますので、ぜひ本記事の内容を参考に、貴社や現場に最適な非破壊検査の方法の選定にお役立てください。早めの対応が、不要な損失や事故を防ぐ最善策となります。

 

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よくある質問

Q.非破壊検査の方法はどのような欠陥が検出できますか
A.非破壊検査の方法では、きずや欠陥の検出が可能で、超音波探傷試験では内部欠陥や割れ、層間剥離などが測定できます。放射線透過試験では溶接部の内部欠陥や気泡、厚みの変化を把握することができ、磁粉探傷試験や浸透探傷試験では表面のきずや微細な割れを検出することが可能です。適用する検査方法によって、内部と表面、どの範囲まで欠陥が発見できるかが異なるため、検査目的に応じた方法選びが必要です。

 

Q.非破壊検査の方法を依頼する際の注意点は何ですか
A.非破壊検査の方法を依頼する際には、まず検査対象物の材質や形状、検査の目的を明確にしておくことが大切です。また、検査方法によって必要な装置や安全対策が異なります。例えば、放射線透過試験ではX線やガンマ線を使用するため、法令に基づいた安全管理が必要です。検査費用や作業時間、検査精度についても事前に確認し、追加費用が発生しないように契約内容をよく確認することをおすすめします。

 

Q.非破壊検査の方法のメリットとデメリットを比較するとどうなりますか
A.非破壊検査の方法の最大のメリットは、製品や構造物を壊さずに検査できるため、コスト削減や作業効率の向上が期待できる点です。また、内部欠陥の早期発見による安全性向上も重要なメリットです。一方、デメリットとしては、検査方法によっては検出限界があり、微細な欠陥の見逃しや誤判定のリスクが存在します。さらに、検査技術者のスキルや使用する機器の性能により結果が左右されるため、信頼性の高い業者選びが必要です。

 

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